シリコンバレーのスーパー大学生に聞く、アメリカの学生生活

冨士田 玲奈(ふじた・れいな)。アメリカ・シリコンバレーの大学生。専攻はビジネス。大学2年生の時に日本の大学を中退し、アメリカの大学に入学。その後、文武両道を貫く。入学以降、成績の指標GPAは最高の4.0をキープ。所属する大学のサッカー部ではキャプテンを務め、エースナンバーの10番を背負う。文武両道であることが評価され、2019 Junior College Woman’s Scholar All-America Teamに選出された。

–まずは、2019 Junior College Woman’s Scholar All-America Teamに選出されたとのこと、おめでとうございます!

ありがとうございます!2018年の8月に日本の大学を辞め、文武両道を目指しアメリカに飛び出した私が出した、初めての目に見える大きな結果だと思っています。

–文武両道をする上で一番難しいことはなんですか?

タイムマネジメントですね。サッカーは、忙しい時期だと週2回試合があって、ほぼ毎日3時間練習しなければいけません。また、アメリカの大学はテストや課題がたくさんあります。もちろん、授業もテストも課題も全部英語です。そんななかでサッカーも勉強も高いパフォーマンスを維持するのは本当に大変ですね。

–アメリカの大学と日本の大学を比べて、どういうところが違うと思いますか?

学生のモチベーションですね。アメリカの学生は、「大学で学ぶ」という選択肢を自ら選び取っているんだ、という意識が強いんです。なので、勉強に対するモチベーションが高い。別に学びたくない人は、大学に通わず違うことをすればいいという感覚があります。それがアメリカの文化なんだと思います。日本の大学生って、社会の流れに任せてなんとなく大学に通っている人が多いんじゃないかと思います。私もそうでした。それに対してアメリカの学生は、勉強が好きだから勉強をしているという人が多い印象ですね。

–部活に関しては、日米で違いを感じますか?

感じます。アメリカでは、文武両道じゃないと部活ができないんです。勉強がちゃんとできた上でスポーツをやるっていう文化があるんですね。GPAが基準値を下回ると、試合に出られないっていうルールがあるんです。それくらい、部活でも大学の成績が重視される。すごく勉強しないと、そもそもサッカーができないんです。日本って、スポーツができれば勉強はいいかみたいな風潮がある気がします。スポーツ推薦とかもありますし。アメリカはそういうの一切ないです。

女子日本代表に選ばれるような、サッカーが上手な日本人がアメリカにサッカー留学をしにくることがよくあります。彼女たちは、サッカーだけならトップ中のトップなんだけれど、そもそも英語ができないから学校に入れないということがよく起こるみたいです。勉強ができないと、プレーすらできないんです。

実際に私の友達でも、サッカーが上手でキャプテンだったのに、成績が基準値を下回ってプレーできなくなってしまった人がいます。アメリカって本当に文武両道の国なんだと思います。この国では、勉強ができない子はそもそもサッカーをする資格がない。良いとか悪いとかではなく、そういう文化なんです。

アメリカ代表に選ばれるようなプロのすごい選手たちも、学生時代は大学の部活でプレーしています。勉強ができないと大学の部活はできません。つまり、みんな勉強もできるってことです。勉強も運動もできる人しか、プロのスポーツ選手にはなれないんです。

今回、私は文武両道であることが評価されて、Woman’s scholar all-America teamに選出されました。文武両道であることを表彰する大きな賞が存在していること自体が、アメリカの文武両道という文化を象徴しているのかもしれません。

あと、一個のスポーツに執着しないっていうのもアメリカの特徴ですね。アメリカには「シーズンスポーツ」という概念があります。すべてのスポーツが、シーズンスポーツです。サッカーは秋、バスケは冬、陸上は春というように、スポーツごとに試合をやる季節が決まっているんです。

私のサッカー部も秋にだけ試合があります。練習は一応一年中あるけれど、季節によってハードさが全然違います。夏は、秋に向けての練習がめっちゃきつく、週5で練習をします。秋は、週2で試合、週4で練習です。週6でサッカーをすることになります。冬と春は週2でゆるく練習をするだけです。そういう時に、他の部活に入る人が多いです。私も冬にバスケ部に入ったことがあります。

日本は一度部活に入ったら、基本的には卒業まで、毎日ずっと同じスポーツをするじゃないですか。終身雇用と似てますよね。サラリーマンが同じ会社でずっと働くみたいに、同じ部活でずっと同じスポーツをする。それに対してアメリカは、やりたいスポーツを季節に応じて選ぶって感じです。一個のスポーツに執着しないんです。サッカーで全米一位になるような大学の選手たちも、春になると陸上をやったりするんです。

–渡米したときには文武両道をしようと思っていたのですか?

いいえ。全くそんなつもりはなかったです。そもそもサッカー部に入るつもりもありませんでした(笑) ちゃんと勉強しようっていうのは行くときから決めていたんですが。体を少し動かしたくて体育の授業を取ったつもりだったんだけれど、間違えて部活に入っちゃったんです。

アメリカでは、“Kinesiology”という科目が日本でいうところの体育の授業です。週に2回くらいみんなで体を動かすやつですね。それに対して、“P.E.”が部活です。アメリカでは部活も授業の一環で、単位ももらえるんです。日本にいた時、「P.E.=体育」だと習ったので、体育の授業だと思ってP.E.を取ったんです。そしたら部活だったわけです。

行ってみたら、コーチに「練習毎日あるよ、大丈夫?」と言われて。とてもびっくりしました。部活だと知ってすぐにやめようと思ったんですけど、「中学・高校でサッカーやってた」って言ったら、「入ってくれ」ってコーチに言われて。それで入ることに決めたんです。

だから、もともとはサッカーをするためにアメリカに行ったわけではないんですよ。結局はキャプテンになるくらいのめりこんでしまったわけですけど。

–次の目標は何ですか?

カリフォルニア大学バークレー校に編入して、起業することです。世界最高峰の大学であるバークレーで人脈を作って、仲間とアイデアを磨き、起業したいですね。今、私はただの大学生なんです。どれだけ成績が良くても、運動ができても、「優秀な大学生」止まりですよね。今は、「大学生」という枠を抜け出したい、という気持ちが強いです。自分の力で何かを始めてみたいんです。

日本の大学にいたくないという気持ちだけでアメリカに来て。当時は、起業なんてする気は全くなかったです。ぼんやりと金融系に行きたいと思っていたので、東海岸のコロンビア大学に編入したいと思ってました。ただ、一年半以上もシリコンバレーにいて、起業家とかと話していると、やっぱり起業したくなりますよね(笑) 今はもう、起業することに決めました。起業するならこのままシリコンバレーにいたほうがいいので、バークレーを受けることに決めました。

–夢はありますか?

ないです。よく聞かれるんですが、ないんです。今まで、目の前のことを一つ一つ頑張ってきてうまくいった感覚があって。なので、目の前にある選択肢の中で、一番面白そうで難しそうなものを選択して生きていくことにしました。この指針に従って、一歩ずつ前に進んでいこうと思っています。ただ、2個先の目標までは決めるようにしていて。今は、バークレーに編入することと、起業することなんですけど。人生、どうなるかなんてわからないので、ゴールを作ってしまうのはもったいないかな、と思っています。日本にいたころは、夢を決めてそこから逆算するのが正解だと思っていたのですが。

中学・高校の頃は頭がとても悪く、日本の大学にいた頃はまじめに勉強をしておらず、サッカーもうまいわけではなかったんです。でも、日本の大学を辞めて、アメリカの大学に来て、きちんと努力をしたらトップの成績が取れて。今では、人は挑戦すれば何でもできる、と考えています。これからも、目の前のことに全力で取り組んで、たくさん挑戦して、面白い人生を歩みたいです。

–Twitterでは、#140字トークという企画をやられているんですよね。

そうです!140字で夢を語ってもらって、それをみんなで応援する企画です。子供の時とかって、私はお花屋さんになる!俺はサッカー選手になる!とか堂々と人前で言ってましたよね。でも成長するにつれて、周りからのプレッシャーとか失敗への恐怖とか、色んなことが邪魔して自分の気持ちを隠して生きていく人が沢山でてきます。だから、バカにされずに夢を言い合える場所をオンラインでもいいから作れないかなと考えました。

口に出す事で、人はその夢とか目標に向かって動き出す勇気が出てくるんです。だから皆さんにも、夢を共有して応援しあって欲しい。私はその環境をツイッターで作り上げました!#140字トーク というタグをつけてみなさんの夢を教えて下さい!全力でみんなが応援します!

–今日は、取材を受けていただき、ありがとうございました。

ありがとうございました!

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