「つくりたい!」から始まるものづくりとは

東出風馬(ひがしで・ふうま)。株式会社Yoki 代表取締役CEO。自宅から学べるモノづくりとプログラミングの教室「LOGY」を運営。孫正義育英財団一期生。若き頃よりモノづくりの楽しさに目覚め、様々な自主制作を行う。メディアにも大きく取り上げられ、2018年にはForbes Japanが選ぶNext Under 18、2019年3月にはAppleが特集する「Macの向こうから」に選出など。

–現在取り組まれている「LOGY」は、どういったサービスですか?

いつでもどこからでも学べるものづくりとプログラミング教室です。ビデオ通話で先生と一対一で進めていくスタイルを取っています。現在は主に小中学生を対象にしているのですが、お子さんがつくりたいものをとことん追求できる仕組みをつくることにこだわっています。

–それは具体的にどのようなものでしょうか。

LOGYでは、お子さんがとことんつくりたいものを追求できる教材と、つくりたいものからつくっていけるカリキュラムが特徴的です。

教材のコンピューターボードには「obniz」を採用しています。ObnizはもともとIoTなどの産業向けに作られたもので、インターネットにつながるのはもちろん、画像処理をしたりと高度なところまでつくりこめます。これを教材として使っていることで子どもたちは圧倒的にハイレベルなものをつくっています。

カリキュラムはチュートリアルレベルとカスタマイズレベルに分かれています。初回10回まではチュートリアルレベルとして必要最小限の基礎を身につけます。その後のカスタマイズレベルでは毎回先生とつくりたいものを相談してつくっていく内容になっています。「つくりたいものから、つくりたいものをとことん」という点にこだわっています。

–子どもたちは作りたいものを何でも作れてしまうということですね。なぜ、そこにこだわっているんですか?

作りたいものを作るためにプログラミングをする、電子工作の知識を身につけるなどというのが自然な流れだと考えているからです。

今、プログラミングの学習熱がとても高まっていますよね。2020年から、小学校でプログラミングが必修化されます。でも、将来必要になるからやらないといけないという空気感を強く感じます。大前提としてなにかをつくりたいというモチベーションがなければ意味がありません。「○○をしたい、そのためにはプログラミングが最適な道具だ!」というアプローチが正しいはずなのに。今の状態は「道具」をとりあえず身に着けようとしてしまっていますよね。いま騒がれているプログラミング教育のほとんどには「何を作りたいのか」という大切な部分が抜け落ちているように感じます。

英語とかも似てるんですけど、「将来のためにやっておくといいよ」ってみんな言いますよね。でも、具体的なイメージが湧くレベルで、どんな時に使うかっていうことを説明できない人が多いんじゃないでしょうか。

何かを作りたいという強いモチベーションがある。それを実現するための手段としてプログラミングが最適かもしれない。じゃあやってみよう、という流れが自然ですよね。「将来必要だから」、「IT人材を育成しよう」という風潮に疑問と抵抗感があります。

例えば、お母さんがエアコンを消し忘れた時に、それを外出先から消せるソフトを作ったら、お母さんはきっと喜んでくれます。身近な人の悩みを解決できれば、自信にも繋がります。

まずは自分のために、こんなのがあったら便利だな、こんなの作りたいなっていうモチベーションに従ってものづくりをする。更につくったものが身の回りの人の課題を解決したり、幸せにしたりできる。本心で感謝される。喜ばれる。小さな成功体験を積み上げることで自己肯定感がぐっとあがる。そんな体験がもっとも大切だと思っています。

なので僕たちの教室は、「何が作りたい?」っていう会話から始まるんです。教える側は、「先生」というよりは「良き相談役」といった感じです。一緒に考える仲間なんです。

–教室に来てもらうのではなく、ビデオ通話なのはなぜですか?

住んでいるところやできる時間帯に左右されずいつでもどこからでもプログラミングやモノづくりを楽しんでもらえるためです。実際、地方や海外に住む子どもたちに多く使っていただいています。

プログラミングなどの教室って、都内に集中しているんですよ。都内は、教室がどんどん増えていて、生徒数が追いついていないほどです。それに対して、地方はまだまだ教室も少ない。出来るだけ多くの子どもたちに好きなものをとことんつくるという体験をしてもらうための最適な方法として、オンラインというかたちを選択しました。同時に、共働きで送り迎えが大変といった悩みや、夜しかできる時間がないといった悩みも解決していたります。「LOGY」はパソコン1台とネット環境さえあれば世界中いつでもどこからでも参加することができます。

–なぜ「LOGY」をやろうと思ったのですか?

ものをつくる楽しさをいろんな人に知ってもらいたいと思ったからです。

僕は小さいころからものづくりが好きでした。中学生のころ、グライダーという動力のない飛行機の小さいものを作るのにハマったんです。改善をかさねて、最終的には10分くらい飛行するようになりました。それがすごく楽しかった。自分でつくっているだけでもよかったのですが、これだけ楽しいなら他の人にも体験してもらいたいと文化祭でそのグライダーをキットにして売ったんです。そしたら、そのキットがすごく売れて。多くの子に喜ばれた。ものをつくることで、周りの人を喜ばせられるのがとても嬉しかったんです。そんな体験をたくさんの人にしてもらいたいです。ものを作って身近な人を幸せにする体験を届けていきたいです。

–1月には、イベントも開催されるのですよね?

そうなんですよ。2020年1月25・26日に、バンダイナムコさんと一緒に出張授業をします。都内にある、バンダイナムコ研究所本社で行います。このイベントでは、電子工作やプログラミングを使ったアイディアソンとハッカソンを組み合わせた内容です。メンター陣の力を借りつつ、リアルなモノづくりに取り組むことができるんです。また、バンダイナムコ研究所の遠山茂樹さんの講演が聞けたり、普段は絶対に入れない、ゲームの製作現場を見学したりもできます!参加費は無料です。

こちらから応募できます。ものづくりに興味のある中高生の皆さんは、是非チェックしてみてください!すでに応募多数きていますのでお早めに(笑)

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