子どもの秘密基地を作ってわかったこと

大場勇弥(おおば・ゆうや)。神奈川大学4年。神奈川県葉山町出身・在住。やっちゃダメなことをやる場、Hayamaリアル秘密基地を運営。

–子どもが自由に遊べる場を作っているんですよね?

はい。神奈川県葉山町のある物件の一室をリノベーションして、子どもが集まれる場を作りました。子どもが「やりたい」と言うことはなんでもやっちゃう場所です。

–そのような場を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

小学生のころの図工の授業がきっかけです。

図工の授業で、絵の具の混ぜ方で先生にめっちゃ怒られました。僕は自由に色を作りたかったのに、そういう混ぜ方だといい絵が描けないと怒られたんです。子どもながら、とても違和感を感じました。それがトラウマになって、学校に行くのが本当に嫌だった時期があって。

今の子ども達って、ダメって言われることが増えちゃって、自由がなくなっていっていると思います。

僕は子どもの頃、何もない原っぱに秘密基地を勝手に作っていて、とても楽しかったんですけど、それができる場所も減ってしまっている。あれもダメ、これもダメと言われて、ルールがない場所がないんじゃないかというくらい。

だから、「普段は大人にダメって言われる」ようなことを思い切り出来る場所を作ったんです。パソコンのキーボードを壊したくなったら壊しますし、ブランコや滑り台を作りたくなったらみんなで作ります。焚き火もしますし、ドラム缶風呂もしますし、ペットボトルで作ったイカダを川に浮かべて乗って漕ぐこともあります。やりたいことを、やりたい時に、飽きるまでやっちゃえ!っていう場です。

最初は小学生が来てくれることが多かったですが、今では大人や大学生も来るようになりました。みんなでやっちゃダメなことをやっています。ここでは、なんでも好きなようにできるんです。壁も落書きだらけです。

–大人になると、子どもの頃の純粋な好奇心を失っていってしまいますよね。

僕はこの活動を通して、子どもがいると大人は自分を抑制するようになるという仮説を持ちました。やっぱり、子どもがいるとみんな責任を感じると思うんです。子どもの前ではちゃんとしなきゃ!と思ってしまって、親が子どもの目を気にするようになるのかなと。そうやって、たくさんのルールを作っていってしまい、結果的に大人の方が純粋な好奇心に従えなくなるんじゃないんでしょうか。

この秘密基地でも、子どもより大人の方が盛り上がっていることがありますよ。みんなで手作りしたブランコで、子どもよりはしゃぐお母さんもいます。そういった光景を目にするたび、本当はみんな自由になりたいんだな、と思います。

社会で生きていくためには、色々なルールに従わなきゃいけないと思いますが、この秘密基地の中だけは大人も子どもも思いっきりはしゃげる場にしていきたいです。

僕は心の衝動っていうのを大切にしていきたいんですよ。今ここでご飯が食べたい、とか、いま目の前の壁に絵を描きたいとか。そういうのを許容できる大人が必要だと思うんです。だから、僕は「もっと悪いことしろ!」って言える悪いお兄さんでいたいです。

子ども達はみんな、何かをやる前に必ず「これやっていい?」って僕に聞くんですよ。僕は毎回、「やっていいよ」って言います。子ども達が、「やっていい?」って聞かずに勝手になんでもやるようになったらこのプロジェクトは成功だと思います。

–将来的な野望はありますか?

葉山の町中に子どもと秘密基地を作りたいです。葉山町って、県で二番目に空き家が多いんです。空き家が2000棟あって、小学生は1800人いるんです。子どもが一人一軒空き家を持てるんです!空き家をどんどん子どもの秘密基地にしていきたいですね。

–秘密基地が増えることを楽しみにしています。今日はありがとうございました。

ありがとうございました。

取材した日には3人の子どもが秘密基地にいた。昨日初めて会って、カードゲームのディエルマスターズで意気投合し、今日も集まったらしい。今日は、パソコンでオリジナルのディエルマスターズのカードを自作していた。

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